群馬県太田市の方から、夜になると玄関のツバメの古巣にジョウビタキのオスが入っていると教えてもらいました。昨年(2024年)は12月下旬~3月中旬まで古巣を使っていて、今年は11月14日にやってきたそうです。2年ともオスのジョウビタキということで、たぶん同じ個体なのでしょう。

以前にもツバメブログで京都のお宅の古巣をジョウビタキが使っている例を紹介したことがありますが、ネットで検索してみると、2つ事例がありました。
2007年2月 児玉昌己研究室ブログ
2012年12月 Yahoo知恵袋
それと知り合いから聞いたのですが、2007年2月に長野県南佐久郡でも古巣を使っていた記録があるそうです。4カ所の例しか見つからないので、こういうことは珍しいのかもしれません。でも寒い季節に暗くなってからツバメの巣を見上げる人は少ないと思いますから、意外と皆さんのお宅のツバメの古巣や、巣でなくても軒下のどこかを、ジョウビタキがねぐらにしている可能性もあるでしょう。
ジョウビタキはヒナを育てる巣場所がツバメと似ています。日本で繁殖しているジョウビタキの巣を調べた調査(※)では、見つかった58個の巣はすべて人家にありました。その位置は換気扇フード31%、建物の隙間21%、巣箱・郵便受け16%、建材の上12%、デッキ下5%と、構造物の内部であることがツバメとはちょっと違っています。でも繁殖期に巣を作るのが人家なら、越冬期に寝る場所も人家なのかもしれません。これからの季節、夜にツバメの古巣や梁の上などを見上げてみてはいかがでしょう。(神山和夫)
※ 山路 公紀, 林 正敏 八ヶ岳とその周辺におけるジョウビタキの繁殖状況と環境の特徴 Bird Research Vol. 14, A23-A31 (2018)


