天敵対策
ツバメの天敵といえばカラス(※)が代表的ですが、私たちが行っている天敵避けの方法で比較的簡単にカラスからツバメの巣を守ることが出来ます。
また、使用する道具や接着テープの使用上の注意点もまとめました。天敵避けはツバメにも人にも安全第一で設置しましょう。
※ツバメの巣を壊してヒナを連れ去っていくのはハシブトガラスで、ハシボソガラスは巣を襲うことはありません。ハシブトガラスはツバメからすると天敵ですが、愛情を持ってヒナを育てる様子はツバメと同じように尊く感じます。
天敵避け:紐を張る方法
麻紐を巣の周囲にタテ方向に放射線状に張ります。ヨコ方向に紐を張るとそこに天敵の鳥がとまり、巣に飛びつかれやすくなってしまいます。ネットのように格子状にしても、ヨコ紐に一旦とまって天敵避けの中に侵入される可能性があります。
タテ紐の間隔は、ツバメがよく通り抜ける巣周辺の間隔が18㎝前後になるようにします。ツバメはこの幅を上手に通り抜けることができます。カラス対策でしたら20㎝程の間隔でもよいのですが、ツミやオナガ等の小型の天敵の鳥が侵入しづらくなるように間隔を狭めて張っています。
また、右の写真のようにフン受けから紐を張れば、フン対策と兼ねることが出来ます。
注意点
・紐は麻紐や水糸等、太さ2~6mmのものにします。太さ1㎝位のロープにようなものだと天敵の鳥がとまれるので、中に侵入されてしまうことがあります。
・梱包用ビニール紐は風で次第に避けたり切れたりしてヒナや親鳥に絡まることがありますので、使用には充分に気を付けましょう。
・透明のテグス等はツバメが見えづらく危険ですので使用しないようにしましょう。ツバメが離れた位置からでも紐が見えやすいように、色付きの紐を使う等の工夫をしましょう。
天敵避け:洋蘭支柱を付ける方法
洋蘭等の栽培に使う園芸用の支柱を使います。巣の下に壁がなく紐を張れない場合、これを天井から巣の周囲に18㎝前後の間隔で下げます。ただ、真下を人が通行するような場所は、支柱に不安感を抱く人がいるかもしれませんので、そのような場所には付けないようにしています。
作り方
洋蘭支柱は太さ3.2mm程、長さ60~70㎝程の手で曲げられる棒です。一袋に6本前後入っています。写真のように1本から16㎝程切り分け2本にし、両方とも直角のL字に曲げ、V字に合わせて布ガムテープでしっかり止めます。V字にして天井に付けると、風で棒が傾くことなく天敵避けの効果を維持できます。先端はそのままだと危ないので、布ガムテープで平らにガードして人にも危なくないようにします。
また、巣立ち後に取り外したら、右の写真のようにアルミテープと超強力両面テープを取り除いておくと、翌年も使いやすいです。
注意点
・他の棒を下げる場合も、出来るだけ威圧感のないものにしましょう。ぶつかったら怪我をするような頑丈なもの(固い、太い、角ばっている等)を付けるとツバメが嫌がって他所へ行ってしまうことがあります。
接着に使う物
天敵避けは2番子が巣立つまでの約4か月間、途中で外れないようにしっかり付けておきましょう。
接着にはアルミテープと超強力両面テープを併用しています。初めに超強力両面テープで紐や棒を接着して、その上にアルミテープを貼っています。
・使用しているアルミテープ:ニトムズ「アルミテープS」、厚さ0.1mm×幅50mm。
薄手(0.05mm)だと剥がれたり切れやすく、厚手(0.13mm)だと壁の凹凸に馴染み難く、硬いので剥がれた場合に刃物のようになり危険です。
・使用している超強力両面テープ:ニトムズ「超強力両面テープ」No.577。
外壁用に使用できる両面テープで非常に接着力が強いので、ツバメが付かないように注意が必要です。壁の凹凸に馴染むようにしっかり押し付けながら貼ります。
●麻紐を付ける場合
●洋蘭支柱を付ける場合
天敵避けを設置する時間帯と天気
大抵の親鳥は天敵避けを直ぐに通り抜けられますが、1時間以上経っても通り抜けられない親鳥も時々います。親鳥がなかなか巣に戻れないと卵やヒナが冷えて死んでしまいますので、必ず親鳥が巣に入るのを確認しましょう。通り抜けるのが難しいような場合は、紐や棒の本数を減らし通り抜けられるようにして、後日慣れてきた頃に追加します。
天敵避けを設置した直後、親鳥はその構造を観察し、ホバリングしながらくぐり方の確認をしますので、設置したら離れた位置からそっと様子を見ていましょう。
また、作業中は親鳥が巣から出てしまいますので、卵やヒナが冷えてしまわないように、気温の低い時間帯や雨の日は避けて設置しましょう。
天敵避けの取り外し
翌年以降にツバメがやって来た時、巣の周りに何も付いてない方がいいので、子育てが終了したら天敵避けは取り外しておきます。