ツバメの巣台

ツバメの巣台

どんな時に巣台を付けるのか

ツバメが巣を作ろうと壁に泥を付けているけれど、上手く付けられず地面にぼとぼと落ちていることがあります。現代の建築物は汚れが付着しづらい優れた外壁塗装が施されていたり、ツルツルした材質の壁で作られていたりするため、ツバメの巣作りがなかなか進まないことがあり見ていて気の毒になります。そのような時、ツバメが諦めて他所に行ってしまう前に巣台を付けてあげると利用することがあります。
また、巣を作られては困る物の上に巣作りする場合も、そのすぐ傍に巣台を付けることで誘致できることがあります。いずれの場合も、元の状況より良い条件で巣台を設置することで、ツバメが巣台に営巣しやすくなります。

※巣台はツバメが全くいない場所や一度も来たことのない建物に付けても、ツバメが来ることにあまり期待できません。

巣台を付ける位置・場所

巣台はツバメが自分で泥を付けている位置か、そのすぐ近くに設置します。そこが雨や直射日光が当たらない場所か、ツバメが出入りしやすい場所か、近くを飛ぶカラスから丸見えにならない場所か、蛇やネズミが柱や物を伝って来られない場所かも確認しましょう。
巣台を付ける高さは天井に近い位置にします。天井と巣台の板の距離が12~14㎝程空くように付けると、実際に巣が完成した時に天井と巣の距離が6~8㎝程になります。そのくらい巣の上の隙間が狭い方が、天敵が入りづらくなるのでツバメにとって都合がよくなります。

巣台の大きさ

巣が完成した時に板の余分なスペースが生じないような小さめの巣台が適切なサイズです。巣の底となる部分を設けておくイメージで、幅13㎝×奥行き9㎝前後の大きさがあるだけで土台になり、泥を盛っていきやすくなります。

ツバメは大きな巣台を好みません

巣台は板の面が大きいと天敵が乗りやすくなったり、親鳥が巣に出入りしづらくなったり、巣の下が見渡せず不安になったりします。そして、親鳥が嫌がって他所へ行ってしまうこともあります。巣を補強しようとして大きな巣台を付けた場合、既にヒナが孵化していたら、その年だけは仕方なく子育てしても、翌年からはその巣には来なくなってしまうケースは少なくありません。
もしも、以前はツバメが来ていたのに暫く来なくなってしまった巣で、そこに大きめの巣台が付いていたら、巣台が要因になっているかもしれません。

適さない大きさの巣台を付けたケース

初め:巣の下に大きな板が付きました。巣が落ちないように、またヒナやフンをキャッチできるようにと配慮あってのことだったのでしょうが、ツバメは使いづらくなりました。

その次の年:ツバメは巣への出入りがしやすいように板の左端に巣を作り直しましたが、更に左側に板を付け足されました。そのため給餌の際、一旦板にとまってからヒナまで行くようになり、給餌しづらくなりました。

更に次の年以降:この板の上に営巣されることはなくなりました。

たとえ大きな巣台であっても、ツバメは隅っこに巣を作る傾向があります。おそらく、親鳥は下方が見やすく、巣に戻るときに直接巣の縁にとまれるように隅っこを好むのではないかと思います。看板・蛍光灯・配管・窓枠等の横幅のある物の上に巣を作る場合も、隅っこに巣を作ることが多いです。ツバメにとって大きな巣台は好ましいものではありません。

巣台の販売

私たちは巣台の制作をし販売もしています。置き型人工巣の設置を兼ねた設計になっていて、設置する壁の構造に合わせて、板の4面を選んで設置することができます。商品や販売に関する詳細は《ツバメ-軒下から大空へshop》で確認いただけます。