
ツバメは全国的に減少している野鳥で、バードリサーチなどが行った全国調査では最近20年間で6割にまで減少したことが分かりました。Tsubame Japanはバードリサーチと共同でツバメのフン受けの制作と配布を行ってきたほか、ツバメの人工巣やカラス避けのヒモ張りを考案して、東京近郊でツバメを守り増やす活動を続けてきました。

(松屋銀座にツバメの人工巣を設置させてもらいました)
こうした保護活動は確実にツバメの数を増やす効果があり、例えば八王子市のあるJR駅前では保護活動を始めた2020年には3組のツバメしかいなかったのが、2021年と2022年には5組、2023年には15組、そして2024年は数が多くて2回子育てをしたときの判定が難しかったのですが、およそ30組が営巣しました。ツバメは仲間がいる場所に集まる習性があるので、保護活動をすると急速に数が回復します。逆に、ツバメが減り始めた地域には新しいツバメが引き寄せられなくなるので、加速度的に減ってしまいます。ツバメを守る活動は数つがいが残っている時点で始めることが望ましく、一度ツバメがいなくなった場所にツバメを呼ぶことは、かなり困難です。

(ツバメの人工巣にカラス避けの麻ひもを張っています。これだけで100%カラスを防ぐことができます)
最近は東京から離れた場所からもツバメとの共生を進めたいとの依頼を受けることがあるため、活動範囲を広げて、日本の各地で人とツバメの共生を助けて、ツバメの数を増やしていくモデル地区を作りたいと考えています。そのために、Tsubame Japanとバードリサーチは共同でクラウドファンディングを始めました。皆さまからのご寄付は、保全活動を行っていくための交通費や材料費に使わせていただきます。皆さまのご支援をお願いいたします。(神山和夫)

(ツバメは建物の外から見えやすい位置を嫌がるので、目隠板の裏側に人工巣を付けました。ヒナが巣立った瞬間です)