JR立川駅で巣から落ちた雛を救護しました

7月11日、JR立川駅の通路の北口に近い場所の巣から雛が落ちたとの連絡をもらい、救護に行ってきました。ツバメは案内板の上部に巣を作っているのですが、巣の奥行きが狭くて、比較的大きなヒナが10日に1羽、11日に1羽と続けて落ちたそうです。駅員さんたちは、はじめはヒナを段ボール箱に入れて巣の下に置かれていたのですが、人の通行が多い通路なので親鳥が近づけそうにないので、どうにか助けられないかということで連絡をいただきました。私たちが駆けつけたとき、1羽目は落ちてから丸一日経っていたので補水が必要と思い、スポーツドリンクのしずくをくちばしの根本に垂らすと、2羽とも自分でパクパクして飲み込みました。補水するときはくちばしの先端から与えようとしても飲みませんから、くちばしの付け根に一滴だけ垂らすとよいようです。

 

ヒナたちは段ボール箱の中でも倒れないでしっかり座った姿勢で、体力は保てているようでした。そこで早く巣に戻そうと思いましたが、巣がかなり高い位置にあって駅にある脚立では届かなかったため、案内板に人工巣を付けて、元の巣の近くに付けてあげることにしました。ヒナを入れるのは他の容器でもいいのですが、巣に似せて作った人工巣の方が、親が近づきやすくて早く餌がもらえるだろうと考えました。

 

ヒナを人工巣に戻してしばらく観察していると、親は見慣れない人工巣が出現したので、安全かを確かめるために近づいたり離れたりをしていましたが、すぐに慣れて、再開したヒナに運んできた虫を与えるようになりました。

 

それから、この通路の南口に最近できた巣からフンが落ちてきているので、駅員さんにお願いして、フン受けを付けさせてもらいました。この巣は金属板に作られているので剥がれる危険もあり、そんなときにもヒナが床まで落ちないようにフン受けでキャッチすることができます。

 

この2カ所を含めて、今年の立川駅には5カ所の巣でツバメがヒナを育てました。通路を通る皆さんがヒナの撮影をされていますが、立ち止まる人が多いと通行の妨げになりますので、周囲に気を配りながら観察をしてくださいね。

(神山和夫)