ポータブル扇風機で猛暑対策する方法

全国各地で猛暑が続いていますが、ツバメの子育てももう暫く続きます。鳥は人より体温が高いので暑さに強いとはいえ、ぐったりと辛そうにしているのを見ると、涼しい風が吹いてほしいと願わずにいられません。そんな中、東京で地域のツバメを守る活動をしている森幸恵さんから、ポータブル扇風機を使った暑さ対策を教えてもらいました。

森さんが使っているのは、

・ダイソーの突っ張りポール(1,000円。取付高さ2m20cm~2m80cm)

・ニトリのマグネット付きクリップファン(2,000円。重さ370㎏。コードレス)

巣から2.5m離した辺りに突っ張りポールを設置し、扇風機に付いているクリップでポールに固定。この扇風機はクリップ部分がマグネットになっているので、貼り付け可能な部分があればポールなしでOKです。風力は安全を考慮して一番弱で掛け、すると、ヒナ達はみんなで扇風機の方向を向いてくれるそうです。この扇風機は3時間充電で15時間稼働なので、森さんは毎朝、扇風機を設置して、夜19時過ぎに回収し、夜のうちに充電。朝から夕方の暑い時間帯に稼働できるのも使用勝手がいいですね。

写真の巣は商店街の店先にある巣で、設置にあたり店主さんに相談したところ、店主さんも日頃から猛暑とツバメのことを心配していて快く設置させてもらえたそうです。鳥は汗をかかないので風があっても人間ほどは冷えませんが、それでも風は皮膚から水分を蒸発させて熱を奪い、羽毛の隙間にたまる熱を吹き飛ばすでしょう。さらに天井付近に上昇してくる熱気を散らし、少し温度を下げる効果もあるかもしれませんから、ヒナたちはずっと過ごしやすくなるでしょう。

扇風機を地面など低い位置に置いていると、巣立ちの際、ヒナが扇風機に降りて事故が起きることが心配ですが、このように天井近くに付けてあれば事故に繋がりにくいと思います。また、風があることで巣が多湿にならずに済み、ダニの大量発生を防げるかもしれません。

ヒナは全員元気に育ち、無事に巣立ったそうです。

(小川美奈子)