人工巣の実用例
人工巣を付ける建物の材質や構造は多様なので、実際にツバメが人工巣で営巣するにはツバメにとって好ましい条件で付ける必要があります。場合によっては巣の位置の見直し、付け方の工夫が必要なこともあります。また、人工巣を付ける理由やきっかけも様々ですので、ここではツバメが営巣した人工巣の実用例を紹介します。
★印の人工巣は購入いただいて設置、またはモニター(※)として設置されたものです。(※人工巣モニターは現在は終了しています。)●印の人工巣は私たちがツバノキの活動の中で設置したものです。
●東京都 2023年
地域全体のツバメが減って、ツバメが集団でカラス等の天敵を追い払えなくなったので、巣が壊されヒナが連れ去られることが増えてきてしまいました。そこでお店の方に相談し、人工巣を付けさせてもらいました。
●東京都 2023年
ツバメが作った巣に商店街の大型室外機から出る熱風があたり、親鳥が抱卵し続けることができなかったため、商店街の方に相談し、巣の近くで熱風が当たらない場所に人工巣を付けさせてもらいました。もとの巣は使わないように塞ぎました。
★島根県 2023年
ツバメは巣作りの偵察には来るものの営巣に至らなかったので、置き型人工巣を設置されました。巣台もツバノキ製の巣台を利用くださいました。
★広島県 2024年
商店街の床屋さんに人工巣を設置されました。2019年の設置以来、毎年営巣しているそうです。この巣だけではなく、地域の巣にカラス避けやフン受けも付けて守る活動を続けているそうです。
★熊本県 2024年
毎年、ツバメが巣を作りたそうに窓付近にやってくるものの、本格的な巣作りには至らないため置き型人工巣を窓の上に設置されました。窓枠上は奥行きが約10㎝、天井との距離が約15㎝あり、天敵が入り込める広さがあるので、ツバメは躊躇していたのかもしれません。そこで、仕切り板を付けて天敵が窓枠に乗っても巣まで到達しづらいようにし、また、木箱をかって人工巣と天井との距離が狭くなるようにしたところ、ツバメは安心できたのかさっそく営巣したそうです。
★長野県 2024年
前の年、2度の子育てがあった後、巣がダニの住処となってしまっていたため止むを得ず巣を撤去し、代わりに壁付け型人工巣を設置されました。下に手作りの小さな巣台も付けられています。
★岡山県 2024年
巣の落下や工事で止むを得ず撤去した経緯があり、ツバメの来訪が減ってしまったため人工巣を設置されました。設置2年目に営巣し、それが呼び水になったのか、もう一組別のツバメが来て巣作りしたそうです。
●東京都 2023年
40年以上、ビルの入口に付けられた巣台の巣で営巣していましたが、事情で巣台を使えなくなったため、建物の関係者に許可を得て、入口の脇に人工巣を付けさせてもらいました。
●東京都 2018年~
JR中央線豊田駅前の市施設に付けてもらった人工巣です。初めに付けた人工巣の位置(跡があるところです)が低かったので、10㎝程上げてもらい天井との距離を狭くしたところ直ぐに営巣しました。
★岩手県 2024年
巣を事情で撤去してからツバメは来るものの巣作りに至らなかったため、もとの巣と同じ位置に人工巣を付けられました。黒っぽい色の板に人工巣を付けて壁に設置したのですが、ツバメの目からも人工巣が少しでも自然に見えるようにと板を壁と同じ色に塗ったそうです。
●東京都 2024年
ツバメが蛍光灯カバーの側面に巣を作りましたが、カバーとの接着部分の少ない巣だったため、抱卵中に落ちてしまいました。そこで直ぐに同じ場所に人工巣をつけたところ、設置から数日後に人工巣に再び産卵しました。
●東京都 2024年
巣が細く丸い配管の上にあり崩れやすかったため、会社の方に相談し壁に人工巣を付けさせてもらいました。その後、新たに入居した会社にも引き継がれ、2019年の設置以来、毎年営巣しています。
★東京都 2024年
巣作りする場所が材質や構造上、泥が付きづらく、前年は巣が崩れて箱で補わなくてはならなかったため、人工巣を付けられました。
★広島県 2023年
お隣さんの家にあった巣が天敵に襲われてしまったので、天敵が来づらい位置に人工巣を付けられました。2022年の設置以来、毎年営巣しているそうです。
★広島県 2023年
いつも見守りされている商店街の元八百屋さんに置き型人工巣を付けられました。2020年に付けてから毎年営巣しているそうです。人工巣と天井との距離、人工巣と横の壁との距離、巣台の大きさがツバメがちょうど良く感じるものがあるのだろうと思います。(写真は、左2023年、中央2020年、右2024年)
●東京都 2022年~
防犯カメラの上にあった巣が抱卵中に崩れてしまい、巣立ちまではとても持たないと見て、建物のオーナーさんと相談し人工巣を付けてヒナを引越させることにしました。ヒナが小さなうちに巣から連れ出すのはリスクがあるため、目が開いて大きな声で虫をねだれるようになるのを待って引越しさせました。それまでの間、巣の下に容器を下げて、もしもヒナが巣から落ちてしまっても受け止められるようにしました。
★神奈川県 2020年
玄関のポーチにあった巣が壊れてしまったので、人工巣を付けられました。
★神奈川県 2022年
巣がカラスに壊されてしまうことがあり、人工巣の設置を考えられたそうです。壁付け型人工巣と巣台の組み合わせで取付られました。